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[2024年09月26日] 2024「第57回日本女子ソフトボールリーグ」 サファイアセクション第3節総括・第4節展望

 去る8月31日(土)・9月1日(日)、「第57回日本女子ソフトボールリーグ」第3節サファイアセクションが栃木県大田原市・美原公園第2球場を会場に開催された。大会の開催に合わせるかのように「台風10号」が襲来。「過去最大勢力」の台風が日本列島に接近・上陸する予報が出され、交通手段が遮断される等、大きな影響が出る中、この第3節サファイアセクションは「奇跡的」に予定通り試合を開催することができた。
 しかし、小泉病院 Blue Arrowsがこの台風の影響で今節への参加・出場を見合わせることになり、今節予定されていた2試合は「不戦敗」の扱いとなってしまった。
 
 このプラチナセクションは「交流節」終了時点で、MORI ALL WAVE KANOYAが通算成績6勝2敗で「単独首位」に立ち、大和電機工業が5勝3敗の2位で追いかけ、小泉病院 Blue Arrows、花王コスメ小田原 フェニックス、Citrine Ichinomiyaの3チームが4勝4敗の「同率3位」に並び、開幕から勝ち星なしの8連敗と苦しむルネス紅葉スポーツ柔整専門学校が最下位となっていた。
 
 「第4節」では、「単独首位」に立っていたMORI ALL WAVE KANOYAが今節初戦の小泉病院 Blue Arrows戦が「不戦勝」となり、勝ち星を1つ積み上げたが、続くCitrine  Ichinomiya戦を1-2で落とし、今節1勝1敗。通算成績7勝3敗となり、今節、花王コスメ小田原 フェニックスに延長タイブレークの熱戦の末、2-1で勝利し、小泉病院 Blue Arrows戦の「不戦勝」で勝ち星2つを積み上げた大和電機工業が7勝3敗で「同率首位」に並んだ。
 4勝4敗で「同率3位」に並んでいた3チームのうち、Citrine Ichinomiyaが今節連勝。初戦のルネス紅葉スポーツ柔整専門学校に4-2で快勝すると、続く「首位」MORI ALL WAVE KANOYAとの対戦も2-1で競り勝ち、通算成績6勝4敗とし、単独3位となり、ギリギリのところで上位争いに踏みとどまっている。
 花王コスメ小田原 フェニックスは初戦の大和電機工業戦を延長タイブレークの末、1-2で落とし、ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校には1-0の完封勝利を収めたものの、今節1勝1敗。通算成績5勝5敗の4位に順位を落とす結果となった。
 小泉病院 Blue Arrowsは「不戦敗」による黒星2つが加算され、通算成績4勝6敗の5位。しかもMORI ALL WAVE KANOYA、大和電機工業「上位2チーム」との対戦が「不戦敗」となったため、上位チームを「直接対決」で叩くチャンスがなくなってしまった。
 開幕から勝ち星なしの8連敗でこの「第3節」を迎えたルネス紅葉スポーツ柔整専門学校は、今節も勝ち星なしに終わったとはいえ、初戦のCitrine Ichinomiya戦は4点をリードされて迎えた最終回、2点を返す粘りを見せ、続く花王コスメ小田原 フェニックス戦も1点差(0-1)の惜敗。前半戦とは見違える試合内容を見せており、最終節となる「第4節」で今シーズン初勝利の期待が高まる充実した試合を展開してくれた。
 
 ここでは、サファイアセクション「第4節」(9月27日(金)~30日(日)/三重県熊野市・山﨑運動公園くまのスタジアム)を前に、サファイアセクション各チームの「第3節」までの戦いを振り返り、「最終節」となる「第4節」の行方を展望してみたい。





 同率首位:MORI ALL WAVE KANOYA(7勝3敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション 第3節終了時点 チーム成績
チーム防御率:1.92(3位)
奪三振:56(1位)
総失点:18(2位)
チーム打率:2割7分4厘(3位)
総得点:35(2位)
総本塁打:1(3位)
総失策:6(4位)
守備率:0.977(4位)
※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 「第1節」1勝1敗のスタートとなったMORI ALL WAVE KANOYAは「第2節」2勝1敗、「交流節」で3連勝し、通算成績6勝2敗。「単独首位」に立ち、この「第3節」を迎えた。
 
 「第3節」は初戦に予定されていた小泉病院 Blue Arrows戦が「不戦勝」となり、首位の座は「盤石」かと思われたが……続くCitrine Ichinomiya戦は先発・髙橋音森が守備の乱れからピンチを招き、スクイズ、適時二塁打等で2点を失い、慌てて「エース」中野花菜を投入し、追加点は防いだものの、時すでに遅く、打線も6安打を放ち、毎回のように走者を出しながら得点は6回裏の1点のみ。最終回も二死満塁の「一打逆転サヨナラ」の場面を作りながら「あと一本」が出ず、1-2の惜敗。痛い3敗目を喫してしまった。
 
 投手陣は規定投球回数(28回以上)に達した投手がおらず、「エース」中野花菜が7試合・22回2/3を投げ、2勝1敗・防御率0.62・奪三振29と相変わらずの安定感を見せている。ただ……「第3節」では先発投手が失点した後の登板で4イニング・打者12人から9三振を奪い、一人の走者も許さぬ「パーフェクトピッチング」見せながら「勝利」に結びつかないという「もったいない」使い方をしてしまった。
「もう一人のエース」左腕・竹原由菜も6試合・投球回数23回1/3を投げ、2勝1敗・防御率2.40・奪三振24の数字を残しており、「ルーキー」髙橋音森が4試合・12イニングを投げ、2勝1敗・防御率2.92。目の前の試合を「勝ちにいく」のか、将来的な投手の育成を重視するのか、もちろん両方とも大事なことだが、そのあたりに「迷い」が感じられ、3敗目を喫し、「同率首位」に並ばれる「遠因」となってしまった気も……。
 打線では濱本叶美が打率4割9厘・打点2とチームトップのハイアベレージを残し、「ルーキー」藤田直が打率3割8分7厘・本塁打1・打点7の大活躍を見せ、打線を引っ張っているが、この「第3節」では濱本叶美が1安打・2四球、藤田直が2安打とチャンスメイクしながら得点に結びつかず……打線がつながりを欠いた。
 
 「第4節」では初戦でルネス紅葉スポーツ柔整専門学校、第2戦で花王コスメ小田原 フェニックス、最終戦で「第3節」終了時点で「同率首位」に並ぶ大和電機工業と対戦する。
 初戦の対戦相手・ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校は、ここまで勝ち星なしの10連敗で最下位に沈んでいるが、後半戦再開となった「第3節」では見違えるような試合内容を見せている。気を抜くことなく、まずは確実に初戦をモノにしたいところだ。
 第2戦の相手となる花王コスメ小田原 フェニックスはリーグでは5勝5敗の4位と一進一退の状況が続いているが、今夏の「第64回全日本実業団女子選手権大会」(7月27日(土)・28日(日)/石川県金沢市で開催)の優勝チーム。「第3節」終了時点でサファイアセクション投手成績「1位」、防御率0.32と抜群の安定感を誇る「リーグ屈指の好投手」栗原ななみを擁するチームだけに、その「好投手」をMORI ALL WAVE KANOYA打線がどう攻略するかがカギとなりそうだ。「第2節」での対戦でも0-1の完封負けを喫しているだけにしっかりと「リベンジ」を果たしたい相手でもある。
 最終戦の大和電機工業戦は文字通り「首位攻防戦」となる可能性が高く、「第2節」での対戦では2-1で勝利を収めているが、実力は拮抗している。打線に勢いのあるチームだけに投手陣がそれを封じ、「らしさ」を出させない試合展開に持ち込みたいところか。どちらにしても、まずはサファイアセクション「2位以上」を確保し、「日本リーグ優勝」を争う権利を有する「順位決定節」Aブロック進出を果たさなければならない。今年こそ……「悲願」の日本リーグ「制覇」を成し遂げるために! チーム一丸「熱く」燃える!!

「第4節」MORI ALL WAVE KANOYA 試合予定

9月27日(金)
対 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校(15:00試合開始予定)
9月28日(土)
対 花王コスメ小田原 フェニックス(15:00試合開始予定)
9月29日(日)
対 大和電機工業(12:30試合開始予定)
 

「サファイアセクション」7勝3敗で「同率首位」に並ぶMORI ALL WAVE KANOYA



 同率首位:大和電機工業(7勝3敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション 第3節終了時点 チーム成績
チーム防御率:1.78(2位)
奪三振:36(3位)
総失点:19(3位)
チーム打率:2割8分5厘(1位)
総得点:28(4位)
総本塁打:1(3位)
総失策:5(3位)
守備率:0.981(4位)
※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 大和電機工業は「第1節」で連勝スタート。「第2節」2勝1敗で通算成績4勝1敗、前半戦を「首位」で折り返し、「交流節」に臨んだが、「交流節」を1勝2敗と負け越し、首位陥落。通算成績5勝3敗の2位で「第3節」を迎えた。
 
 「第3節」初戦の花王コスメ小田原 フェニックス戦、2回裏に先発・斉藤未来が1点を失ったものの、4回表、上原彩瑛、原野柚希の長短打、堀川美瑠瑠のタイムリーで1-1の同点に追いつき、試合はそのまま、延長タイブレークに突入。延長9回表、犠打でタイブレークの走者を三塁へ進め、新海雪奈が決勝のタイムリー! 2-1で競り勝ち、6勝目。続く小泉病院 Blue Arrows戦が「不戦勝」となり、MORI ALL WAVE KANOYAがCitrine Ichinomiya戦を落としたことで通算成績7勝3敗の「同率」で並んだ。
 
 投手陣では左腕・斉藤未来が7試合・31回1/3を投げ、3勝1敗・防御率0.45・奪三振14と安定した数字を残し、「エース」大串都未希が7試合・18回1/3に登板し、2勝1敗・防御率1.53・奪三振18。この「左右の両輪」が投手陣の中心となっている。
 打線では、原野柚希が打率4割2分9厘・打点2のハイアベレージでサファイアセクションの首位打者争いを演じており、「キャプテン」古賀藍奈も打率3割8分5厘・打点1、上原彩瑛が3割6分・打点3、堀川美瑠瑠が打率3割4分5厘・打点5と軒並み好調。チーム打率2割8分5厘でサファイアセクショントップの数字を叩き出している。「復活」なった一昨年の「MVP」新海雪奈が花王コスメ小田原 フェニックス戦で決勝打を放ったことも「明るい材料」。
 
 「第4節」では初戦でCitrine Ichinomiya、第2戦でルネス紅葉スポーツ柔整専門学校、最終戦でMORI ALL WAVE KANOYAと対戦する。
 初戦の相手となるCitrine Ichinomiyaは「第3節」連勝と調子を上げ、上位進出の可能性を残している。「第2節」での対戦では、自慢の「強力打線」がノーヒットに抑え込まれながら1-0で勝利するという「珍しい試合」で勝利を飾っている。今度は自慢の打線爆発でスッキリと勝利を手にしたいところだ。
 続くルネス紅葉スポーツ柔整専門学校との一戦は、ここまで1勝もしていない最下位のチームが相手とはいえ油断は禁物。「第3節」では敗れたとはいえ、僅差の好ゲームを演じており、前半戦のチームとは「別のチーム」と考えておいた方がいいかもしれない。まずは先取点を奪い、「自分たちのペース」で試合を進めていければ……間違いはない。
 最終戦のMORI ALL WAVE KANOYAとの一戦は首位を争う「ライバル」との「直接対決」となる。両チームがどのような状況でこの試合を迎えるかにもよるが、「順位決定節」を見越しての「探り合い」となるのか、「日本リーグ優勝」の可能性のある「順位決定節」Aブロック進出をかけた「必死」の試合となるか、今の時点ではわからないが……どちらにしても順位決定節」Aブロック進出は「譲れない」ところであり、そこでの戦いを見越したものになるにしても「いい形」で最終決戦に臨めるよう、確かな「手応え」を感じられる試合を展開しておきたいところだ。

「第4節」大和電機工業 試合予定

9月27日(金)
対 Citrine Ichinomiya(10:00試合開始予定)
9月28日(土)
対 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校(12:30試合開始予定)
9月29日(日)
対 MORI ALL WAVE KANOYA(12:30試合開始予定)
 

「サファイアセクション」第3節2勝を挙げ、通算成績7勝3敗とし、「同率首位」に並んだ大和電機工業



 3位:Citrine Ichinomiya(6勝4敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション 第3節終了時点 チーム成績
チーム防御率:2.74位)
奪三振:41位)
総失点:34位)
チーム打率:2割5分4厘(4位)
総得点:39位)
総本塁打:2(2位)
総失策:11位)
守備率:0.963位)
※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 Citrine Ichinomiyaは「第1節」1勝1敗のスタート。「第2節」を2勝1敗で乗り切ったものの、「交流節」1勝2敗と一進一退の状況が続き、通算成績4勝4敗の「同率3位」で「第3節」を迎えた。
 
 「第3節」では初戦のルネス紅葉スポーツ柔整専門学校戦、初回に5本の長短打を集中し、大量4点を先制。最終回、2点を返され、追い上げられる場面もあったが、4-2で勝利を収めると、続く「首位」MORI ALL WAVE KANOYA戦も4回表、スクイズと五十嵐綺麗良の二塁打で2点を先制。MORI ALL WAVE KANOYAの反撃を先発・川原麻里、阿蘓七瑚とつなぐ投手リレーで1点に抑え、2-1で逃げ切り、連勝。通算成績6勝4敗とし、ギリギリのところで上位争いに踏み止まった。
 
 投手陣は阿蘓七瑚が8試合・30イニングを投げ、2勝3敗・防御率2.10・奪三振20。川原麻里が10試合すべてに登板し、28回1/3を投げ、3勝1敗・防御率3.71・奪三振11と奮闘。「第3節」では2試合とも先発に起用され、2勝を挙げる活躍。「第3節」連勝の立役者となった。
 打線では宮本星南が打率3割8分2厘・打点3と調子を上げ、仁科芽惟も打率3割4分5厘・打点5と好調。特にこの「第3節」では宮本星南が6打数3安打・打点1,仁科芽惟が5打数3安打と打線を引っ張ってくれた。
 
 「第4節」では初戦で「同率首位」に並ぶ大和電機工業と対戦。第2戦では小泉病院 Blue Arrows、最終戦で花王コスメ小田原 フェニックスとの対戦が組まれている。
 「日本リーグ優勝」を争う「順位決定節」Aブロックに進出するには、「同率首位」に並ぶMORI ALL WAVE KANOYA、大和電機工業の「背中」をとらえなくてはならない。「第3節」でMORI ALL WAVE KANOYAに勝ち、上位争いに生き残り、「直接対決」での対戦成績も1勝1敗としたものの、得失点差では得点5・失点6のマイナス1と不利な状況にある。大和電機工業には「第2節」で相手打線をノーヒットに抑えながら0-1で敗れているだけに「2点差以上」をつけて勝利し、「同率」に並んでも「有利な状況」を確保したいところだ。
 第2戦の対戦相手・小泉病院 Blue Arrowsは「第3節」台風10号の影響で出場叶わず……戦わずして「不戦敗」の2敗が加算されてしまった。それだけにこの「第4節」にかける思いは並々ならぬものがあるはず。上位争いに生き残るには、その「強い思い」をはね返し、「勝つ」しかない。
 最終戦の対戦相手となる花王コスメ小田原 フェニックスも「エース」栗原ななみがサファイアセクション投手ランキング1位の防御率0.32と絶好調! リーグでは5勝5敗の4位と一進一退の状況で足踏みしているが、今夏の「第64回全日本実業団女子選手権大会」(7月27日(土)・28日(日)/石川県金沢市で開催)では「優勝」を飾る等、力を持ったチームだ。ただ……上位争いに生き残り、「順位決定節」Aブロック進出を果たすには「勝つ」しか道はない。どこが相手であれ「勝つ」こと。そうすれば自ずと道は拓かれる。

「第4節」Citrine Ichinomiya 試合予定

27日(
 大和電機工業(10:00試合開始予定)
28日(
対 小泉病院 Blue Arrows10:00試合開始予定)
9月29日(日)
対 花王コスメ小田原 フェニックス(15:00試合開始予定)
 

「サファイアセクション」第3節連勝で6勝4敗、3位につけたCitrine Ichinomiya



 4位:花王コスメ小田原 フェニックス(5勝5敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション 第3節終了時点 チーム成績
チーム防御率:1.47(1位)
奪三振:30位)
総失点:17位)
チーム打率:2割4分(5位)
総得点:26位)
総本塁打:0位)
総失策:4位)
守備率:0.988(1位)
※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 花王コスメ小田原 フェニックスは「第1節」1勝1敗、「第2節」は1勝2敗で「交流節」2勝1敗で通算成績4勝4敗。勝率を5割で「第3節」を迎えた。
 
 「第3節」では初戦、大和電機工業と延長タイブレークにもつれ込む熱戦を演じ、1-2の惜敗。2回裏、死球、犠打で得点圏に走者を進め、酒井啓名のタイムリーで先手を取ったが、4回表に追いつかれ、試合は1-1の同点のまま、延長タイブレークへともつれ込み、死力を尽くし戦ったものの、延長9回、力投の「エース」栗原ななみがついに力尽き……5敗目。続くルネス紅葉スポーツ柔整専門学校は「エース」栗原ななみ、小森美咲、星野圭音と3投手をつぎ込む投手リレーで1-0の完封勝ち。5勝5敗の勝率5割に戻し、4位につけた。
 
 投手陣では、「エース」栗原ななみが安定感抜群。9試合・43回1/3を投げ、1勝2敗ながら防御率0.32・奪三振20と好投を続けている。ただ……打線の援護に恵まれず、「第3節」の大和電機工業戦も延長9回を投げ切りながら敗戦投手となる等、「エース」の好投・力投をチームの勝利に結びつけることのできない「ジレンマ」に苛まれている。
 打線では、鈴木未空が打率3割1分3厘・打点3、西愛実が打率3割1分と3割超えの打率を残しているが、チーム打率2割4分はサファイアセクション6チーム中5位。総得点26、総本塁打0はいずれも最下位と長打力不足、得点力不足の解消が急務だ。打線が好投の「エース」を援護できれば、自ずと「勝利」が転がり込んでくるはずなのだが……。
 
 「第4節」では初戦で小泉病院 Blue Arrows、第2戦でMORI ALL WAVE KANOYA、最終戦でCitrine Ichinomiyaと対戦する。
 初戦の相手・小泉病院 Blue Arrowsは「第3節」戦いたくても戦えなかった「強い思い」をぶつけてくるはずである。2戦目でぶつかるMORI ALL WAVE KANOYAも首位争いを演じているチームだけに手強い相手であることは間違いない。最終戦のCitrine Ichinomiyaも最後まで上位争いに生き残っていれば、この試合に勝利すべく全力を尽くしてくるはずである。
 いずれにしても簡単な相手ではないが……花王コスメ小田原 フェニックスは今夏の「第64回全日本実業団女子選手権大会」(7月27日(土)・28日(日)/石川県金沢市で開催)の「優勝チーム」である。「力」は十分に有している。あとはその「力」を存分に発揮し、「結果」に結びつけるだけである。

「第4節」花王コスメ小田原 フェニックス 試合予定

27日(
 小泉病院 Blue Arrows12:30試合開始予定)
28日(
 MORI ALL WAVE KANOYA15:00試合開始予定)
9月29日(日)
対 Citrine Ichinomiya(15:00試合開始予定)
 

「サファイアセクション」5勝5敗で4位の花王コスメ小田原 フェニックス



 5位:小泉病院 Blue Arrows(4勝6敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション 第3節終了時点 チーム成績
チーム防御率:4.36位)
奪三振:23(5位)
総失点:35位)
チーム打率:2割8分1厘(2位)
総得点:34位)
総本塁打:1(3位)
総失策:3位)
守備率:0.986(2位)
※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 小泉病院 Blue Arrowsは「第1節」を1勝1敗で終え、「第2節」は2勝1敗と勝ち越し、「交流節」は1勝2敗と負け越し、通算成績4勝4敗で「第3節」を迎え、ここから小泉病院 Blue Arrowsが「逆襲」を開始すべく意気込んでいたのだが……。
 昨シーズンも後半戦の追い込みで「順位決定節」Aブロック進出を果たし、最後は「日本リーグ優勝」を決める「優勝決定戦」にまで駒を進めただけに、今シーズンもその「再現」が期待されていたが……。
 台風10号の影響で「第3節」への参加・出場を見合わせることになり、「第3節」での2試合が「不戦敗」の扱いに……戦わずして「2敗」が加算され、通算成績4勝6敗。上位進出の可能性が断たれる結果となってしまった。
 
 投手陣は「エース」原田悠が7試合・33回2/3を投げ、2勝3敗・防御率3.95・奪三振13。チーム防御率4.36・総失点35はいずれもサファイアセクション6チーム中5位とチーム全体としても厳しい数字が並ぶ。昨シーズン、セクション内リーグ戦終盤の「勝負どころ」、日本リーグ優勝を争った「順位決定節」Aブロックでの戦い、そこで勝ち抜く「原動力」となった原田悠の「復調」に期待し、最終節となる「第4節」で「意地」を見せてもらいたいところ。
 打線では、「ルーキー」橋本奈津紀が打率4割5分のハイアベレージでサファイアセクション「首位打者争い」のトップに立ち、同じく「ルーキー」内山千彩貴が打率3割ちょうど、打点2の活躍を見せている。「若い力」「新戦力」が躍動しているだけに「第4節」「順位決定節」では一つでも順位を上げ、来シーズンにつながる戦いを見せてくれることを期待したい。
 
 「第4節」では、初戦で花王コスメ小田原 フェニックス、第2戦でCitrine Ichinomiya、最終戦でルネス紅葉スポーツ柔整専門学校と対戦する。
 戦いたくても戦うことのできなかった「第3節」の無念の思いを、この「第4節」にぶつけてほしい。ここで「意地」の3連勝を飾ること、「順位決定節」で一つでも順位を上げること、小泉病院 Blue Arrowsというチームの「真の実力」を見せてくれることを切に願う。

「第4節」小泉病院 Blue Arrows 試合予定

27日(
 花王コスメ小田原 フェニックス12:30試合開始予定)
28日(
 Citrine Ichinomiya10:00試合開始予定)
9月29日(日)
対 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校10:00試合開始予定)
 

「サファイアセクション」第3節の2試合が「不戦敗」となり、4勝6敗で5位に順位を落とした小泉病院 Blue Arrows



 6位:ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校(0勝10敗)
 
「第57回日本女子ソフトボールリーグ」サファイアセクション 第3節終了時点 チーム成績
チーム防御率:8.51位)
奪三振:18位)
総失点:88位)
チーム打率:2割1分2厘(6位)
総得点:28位)
総本塁打:4(1位)
総失策:13位)
守備率:0.955(6位)
※( )内数字は「サファイアセクション」6チームでの順位を示す

 ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校は「第1節」勝ち星がなく、連敗。「第2節」も3連敗を喫し「交流節」も3連敗。開幕から勝ち星なしの8連敗で「第3節」を迎えた。
 
 「第3節」では初戦、Citrine Ichinomiyaと対戦。初回、先発・小林美紅がいきなり4本の長短打を浴び、2点を失い、代わった小田澤理乃も押し出しの四球を与え、さらにタイムリーを浴び、2失点。初回に大量4点を失う苦しい試合展開となったが、2回以降は小田澤理乃が追加点を許さぬ好投。打線も最終回、樋口柚妃、木下奈津、松永栞の3連続長短打で2点を返す粘りを見せ、結局、2-4で敗れはしたものの、僅差の接戦。続く花王コスメ小田原 フェニックス戦は緊迫の投手戦を展開。4回表、先発・小林美紅が一死満塁から犠牲フライで1点を失い、結局、この1点が決勝点となり、0-1の完封負けを喫したが、前半戦とは見違えるような試合内容で「後半戦のルネス紅葉スポーツ柔整専門学校は一味違う」ところを見せてくれた。
 
 投手陣で規定投球回数(28回)に達した投手はおらず、「ルーキー」小田澤理乃が7試合・20イニングを投げ、0勝1敗・防御率1.75と踏ん張っている。「第3節」でも初戦のCitrine Ichinomiya戦は初回の途中からロングリリーフし、2回以降は追加点を許さぬ好投。続く花王コスメ小田原 フェニックス戦も5回から無失点のリリーフと奮闘している。
 9試合・24回2/3を投げ、0勝6敗・防御率13.05の小林美紅も通算成績では厳しい数字が並ぶが、「第3節」では初戦のCitrine Ichinomiya戦では先発に起用されながら初回一死を取っただけで降板する憂き目にあったが、続く第2戦の花王コスメ小田原 フェニックス戦では5回まで1失点の力投を見せている。
 打線では、堤万己が打率3割4分6厘・本塁打1・打点7、樋口柚妃も打率2割8分・本塁打1・打点4の成績を残す等、サファイアセクション1位の4本塁打を放つ長打力のある打線を形成。それがチームの魅力、持ち味となっていたが、「第3節」ではこれまでとは逆に、投手陣が踏ん張りながら打線の援護がなく……という試合展開となってしまった。「第4節」では投打の歯車がガッチリ噛み合い、待望の「今シーズン初勝利」を手にする姿を見たいものだ。
 
 「第4節」では、初戦で「同率首位」に並ぶMORI ALL WAVE KANOYA、第2戦で同じく「同率首位」の大和電機工業、最終戦で小泉病院 Blue Arrowsと対戦する。
 初戦、第2戦と首位争いを演じる上位チームとの対戦となるが、ここで周囲をアッといわせるような大番狂わせ、ジャイアントキリングを演じ、リーグを盛り上げてほしい。「第3節」では前半戦とは見違えるような素晴らしい試合を展開してくれているだけに、それをこの「第4節」にもつなげ、首位争いを演じるチームにも臆することなく立ち向かい、「念願」の今シーズン初勝利をつかみとってもらいたいものである。

「第4節」ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校 試合予定

27日(金)
 MORI ALL WAVE KANOYA15:00試合開始予定)
28日(
 大和電機工業12:30試合開始予定)
9月29日(日)
対 小泉病院 Blue Arrows

「サファイアセクション」開幕から勝ち星なしの連敗。「第4節」で今シーズン初勝利をめざすルネス紅葉スポーツ柔整専門学校

 また、日本リーグでは、試合を行うだけでなく、各節・各開催地で積極的に「保育所・幼稚園・小学校訪問」等を行い、ソフトボールのPR、普及活動に努めている。今節(第3節)も台風10号の襲来で試合自体の開催が危ぶまれる中、参加各チームの協力を得て「学校訪問」を実施することができた。試合において全力プレーでソフトボールの魅力や面白さを伝えていくのはもちろんのこと、ソフトボールの「未来」「将来」につながる子どもたちとのふれあいの時間を持ち、ソフトボールという競技がどんなものなのか、そのPRに努め、普及活動の一環として、ソフトボールの楽しさ、面白さを伝えていくこと。日本女子ソフトボールリーグは「試合に勝つこと」「良い成績を残すこと」だけでなく、ソフトボール競技全体を盛り上げ、そこに魅力を感じ、将来ソフトボールをはじめてくれる子どもたちを一人でも増やし、生涯にわたってソフトボールに関わり、携わってくれる子どもたちが出てきてくれることを心から願い、このような取り組みを行い、継続している。ここでは「サファイアセクション」各チームが行った「小学校訪問」の様子の一端をお伝えさせていただきたい。
 
サファイアセクション小学校訪問動画(佐久山小学校編)


サファイアセクション小学校訪問(奥沢小学校・金丸小学校編)

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